輝く樹木

第3章 第7話

 遮光カーテンとレースのカーテンを輝夫は全開した。雲の塊が点在する夜空に満月と星々が輝いていた。満月は周りの星々を圧倒するような明るさで輝いていた。満月の眩しい純白の光が前庭を照らしていた。道路沿いに立っている3本の木は満月の純白の光を浴びていた。純白の光を浴びて葉が濃い緑色の光を反射させていた。純白の光を浴びて幹が焦げ茶色の光を反射させていた。前庭全体が純白の光を浴びて様々な色の光を反射させていた。様々な色の光が飛び交い様々な光の粒に変わっていった。様々な光の粒はお互いにぶつかり合って幻想的な模様を前庭に映し出していた。
 点在する雲の塊の一つが満月を覆うと満天の星が夜空に現れた。前庭に映し出されていた幻想的な模様は消えて、夜空から純白の星の光が降り注いできた。ガラス窓のガラス面を通して星々の純白の光が流れ込んできた。天井と壁と床と部屋にあるすべてのものが純白の星々の光を浴びていた。
 輝夫はガラス窓を全開した。ガラス窓のガラス面に弾かれて前庭を飛び交っていた光が夜空から降り注いでくる星の光に溶け込んで部屋の中に流れ込んできた。道路沿いに立っている三本の木が空から降り注いでくる純白の星々の光を浴びていた。微風に吹かれて木の葉が微かに揺れて擦れあっていた。
 夜空から降り注ぐ太陽の純白の光に溶け込むように微風が窓から流れ込んできた。微風に吹かれて微かに揺れている木の葉はお互いに擦れ合いながら微かな音を響かせていた。木の葉が奏でる音が微風と純白の光に溶け込むように部屋に流れ込んできた。この葉が奏でる音が部屋の中で響き、輝夫は心地よい眠りに誘われた。
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