あいつは悪魔王子!~悪魔王子を召喚しちゃった!?魔術クラブ結成!都市伝説『追いかけ鬼』をやっつけろ!~
「ごめんね、ちょっと怖いかもしれないけど……この鬼?」
今日はズボンの光がポケットから追いかけ鬼の似顔絵を取り出して、見せた。
まわりはみんな、メンコやお手玉に夢中だ。
「わっ! そう! 怖いよぉ……」
「今はもう大丈夫だよ。何日の何時か覚えてる?」
「ん~お祭りの日曜日。夕日が終わって暗くなった頃だよ」
お祭の期間はあとで調べばわかるだろう。
「その時、鬼は何もしなかった?」
「うん、私が泣いたから、みんなで車で帰ったよ」
「そっか……怖かったね。もう絶対大丈夫だからね」
「うん、ありがとう」
「(こんな小さい子まで怖がらせて、絶対に許せない!)」
光は追いかけ鬼の犯人への怒りがどんどん大きくなっていくのを感じる。
「じゃあ、おはじきで遊ぼう! それともお手玉?」
追いかけ鬼のことなど忘れるように、光は元気に言った。
「えっとね、お手玉!」
女の子も元気に言う。
怖い思いを忘れさせようと、光と麻那人は女の子と楽しく遊んだ。
「お兄ちゃん、かっこよくて王子様みたい」
「ふふ、また遊ぼうね」
麻那人はすっかり女の子に懐かれたようだった。