あいつは悪魔王子!~悪魔王子を召喚しちゃった!?魔術クラブ結成!都市伝説『追いかけ鬼』をやっつけろ!~

 それから放課後、ルルと麻那人と三人。
 今日は図書室と隣のふれあいルームが放課後開放日なので、会話のできるふれあいルームにやってきた。
 
「3月の日曜日……日の入りは夜の六時半くらいかな」

 わかった事をノートにルルが書いてくれる。
 
「さくら祭りってどんな祭り?」

 知らない麻那人が聞く。

「裏山の公園のあたりが桜の木があるからお花見スポットなんだ。ちょっとだけ縁日とライトアップがされるんだよ。でもこのフェンスの方は桜がないから明かりもなくて暗いはず」

 光は裏山が大好きなので、すぐに思い浮かぶ。
 裏山の公園はより上にある神社の方にサッカーボールなどが飛んでいかないように、フェンスがある。
 その先は林だ。
 神社へは、脇道の細い石階段か横のスロープを登っていく。
 
「あの子が襲われなくてよかった……」
 
 ルルがホッとした顔で言う。
 一年生の女の子はルルも知っているようだった。

「あの子はタイミングが合わなかったから襲われなかったの?」

 光が言った。

「そう。蘭子ちゃんの時に、時計の文字盤と、秒針と、分針が合わさった時に、怪異は起きるって言っただろう?」

 麻那人が小さな声で言った。
 
「うん」

「いつでもどこでも起きるものじゃない。でも、この界隈に出る追いかけ鬼は、釣り針を垂らしている。……引っかかる獲物を探しているんだ」

 ゾクッと、光もルルもした。
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