あいつは悪魔王子!~悪魔王子を召喚しちゃった!?魔術クラブ結成!都市伝説『追いかけ鬼』をやっつけろ!~
「そうそう。桜の時期だよね」
光が思い出す。
そして一年生の女の子の事も思い出した。
「俺のサッカーの仲間にもいたんだよ。裏山で変なの見たってさ……裏山ばっかりだな!」
空太がひらめいたように言うけど、みんなわかっていた。
「ふむ……裏山が普段の発生場所で、蘭子ちゃんが襲われたのは光を追いかけてという事か。追いかけ鬼のうわさは昔からあっても、被害が出たのは春から……」
麻那人が形のよい顎を二本の指で挟んで考える。
「そうっぽいね」
「とりあえずこの街で行方不明の子どもはいないみたいだし、食べられた子どもはいないようで良かったよ」
昨日、光と麻那人の二人で近くの交番へ聞きに行った。
おまわりさんは少し変な顔をしたけど、そんな事件はないと教えてくれたのだ。
「ひぇっ……怖い事言わないでよぉ~麻那人君」
リィがラーに抱きついた。
「これからエスカレートする前に、止めないとね。次の追いかけ鬼は絶対に現れる」
みんなが麻那人の言葉にゴクリと唾を飲んだ。
「どうするの?」
「うん、これから情報をもとに計画を立てていこうと思う。計画を立てたらみんな協力してね」
「「「「「オッケーい!」」」」」
とは言ったものの、まだ犯人の予想もついていない。
引き続き情報も探すことになった。
麻那人のズボンにキーホルダー型になっていたファルゴンが密かにうごめいて、どこかに飛んで行った。