あいつは悪魔王子!~悪魔王子を召喚しちゃった!?魔術クラブ結成!都市伝説『追いかけ鬼』をやっつけろ!~

「そ、そっか。わかった」

「悪魔や妖怪も怖いけど、悪い人間もすごく怖いね。子どもをそうやって誘ってくる大人には、絶対に近づいたらいけないよ」

「うん、ありがとう。麻那人君ってやっぱり頼りになる! すごくかっこいい!」

「そんな事ないさ」

 ラーのウインクにも、麻那人は照れもしない様子で微笑む。
 
「ねぇ、蘭子ちゃんってカメラは持っているの?」

「カメラ? うん、私モデルだけど撮るのも好きでね。一眼レフで撮った写真をSNSにアップしてるの」

「フラッシュを焚いて?」

「そうよ~夜の写真もすごくキレイに撮れるの」

 今回も神社の写真だったように、ラーは自撮りだけではなく自分で撮影した写真も載せているようだった。

「そうなんだ。今度詳しく教えて」

「もちろんよ! じゃあ今度、放課後ね!」

 ラーはまるで麻那人とのデートでも決まったかのように、飛び跳ねて自分の作業に戻っていった。

「麻那人はSNSにも詳しいの? すごいね」

「詳しくはないけれど、悪い奴らの考えることなんかすぐにわかるのさ」

 『だって僕は悪魔王子だからね』とでも言いたそうな笑顔だった。
 
 「ねぇ! 聞いてよー」

 ラーの次にやってきたのはリィだ。

「陸上クラブのさ代表になれたんだよね! 短距離走の!」

 リィの所属する陸上クラブは放課後、週に何度か練習もあって大会にも出場する特殊クラブだ。
 空太のサッカークラブも同じである。
 
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