あいつは悪魔王子!~悪魔王子を召喚しちゃった!?魔術クラブ結成!都市伝説『追いかけ鬼』をやっつけろ!~
「麻那人も走るの速いんでしょ?」
「ふふ、まぁ……でも悪魔は走らないからなぁ。人間みたいに一生懸命に頑張って汗を流して輝く……なんて事はしないから」
「なるほど」
確かに悪魔が陸上大会やサッカーをして、さわやかに過ごしているとは思えない。
光は苦笑いをする。
「あ、リィが走るよ!」
先生の合図で、リィがクラウチングスタートで走る。
「わー! 速い!」
さすがのリィだ。
走る! 走る! 走る!
六年生の先輩も男子も追い抜いて、あっという間に一位でゴールに飛び込む。
「リィー! かっこいい!!」
「すごいよ!!」
二人の声援に気付いて、リィが大きく手を振ってくれた。
「追いかけ鬼より速いんじゃない!?」
興奮して光が叫んだ。
リィなら追いかけ鬼に追いかけられても逃げられる速さだ。
「うん、短距離ならいけそうだね……人間ってすごいな」
うんうん、頷いて何か考えている様子の麻那人。
「え? まさか本当に……?」
「うん。計画でリィちゃんの足にも、協力してもらおう」
麻那人の頭の中では、何か追いかけ鬼と犯人に対しての計画が出来上がりつつあるようだった。