あいつは悪魔王子!~悪魔王子を召喚しちゃった!?魔術クラブ結成!都市伝説『追いかけ鬼』をやっつけろ!~

 紙コップと割り箸も買って、屋根裏部屋でスライム作りをした。
 お父さんにもういらなくなったお鍋をもらって、鍋いっぱいに作る。

「色は透明でいいの?」

「うん」

 麻那人が何を考えているのか光にはわからなかった。
 
「逃げ出さないようにしないとね」

 ぽこぽこうごめくスライムが逃げ出さないように、フタをしてガムテープで閉じた。
 素敵なカーペットが汚れないように、新聞紙の上にスライム鍋を置く。
 なかで、うねうね動いている。

「うわぁ……本物のスライムじゃん……」

 ゲームに出てくるモンスターを光は思い浮かべる。
 
「ちょっと言うこと聞くように、しつけないとなぁ」

「これ何に使うの?」

「まだ秘密~」

 パタパタと二人の上をファルゴンが飛ぶ。

「麻那人様、ちょっと魔界に行っておりましたぁ」

 神社で姿を消してから、数日いないと思っていた。

「情報収集ありがとう……まさか僕の居場所を伝えてはいないだろうね」

「も、もちろんでございます!」

 麻那人に見つめられて、慌てて左右に揺れるファルゴン。

「……麻那人、こっちにいる事をお父さんに言ってないの?」

「まぁ、その話は今はいいじゃない。で? 情報は?」

「情報ってなんの?」

 光にはなんの事だかわからない。

「とりあえず、チョコアイスを食べさせてくれぇ光。沢山飛んで疲れたのだ」

「もう~」

 夕飯前だけど、すっかりチョコアイスが気に入ってしまったファルゴンのためと自分達の分もアイスを三つ持ってきた光だった。
 
 ファルゴンの情報とはいかに。 
 
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