あいつは悪魔王子!~悪魔王子を召喚しちゃった!?魔術クラブ結成!都市伝説『追いかけ鬼』をやっつけろ!~
「追いかけ鬼を創り、子どもの恐怖心を吸収し力を取り戻そうとしているんだ」
「え!? 取り戻せるの!?」
「うん。牢での吸収が終われば、悪魔は力を取り戻していく。ザボほどのざんぎゃくな悪魔だと、人を襲い始めるだろうな……」
麻那人の静かな声。
「ザボはプライドも高い悪魔です。追いかけ鬼を壊した光を追いかけていることでしょう。多分、光を襲った時に大分力を補充できたんでしょうなぁ~」
ファルゴンの言葉に光はゾッとして泣きそうになる。
「ファルゴン! 光を余計に不安にさせるな」
「ひぃ! 麻那人様申し訳ありません」
「光、大丈夫。あいつは学校には入ってこられない。この家も安全だし」
「……うん……」
「僕が傍で守るから」
麻那人の大きな瞳がキラキラ光る。
真面目な顔をして、なんだかゲームや小説のヒーローみたいな事を言われて、急に心臓がドッキドキしてしまった光。