あいつは悪魔王子!~悪魔王子を召喚しちゃった!?魔術クラブ結成!都市伝説『追いかけ鬼』をやっつけろ!~

「あわわ……」

「ん?」

「ややや、いや、ありがとう」

 麻那人は頷く。
 
「まぁまだ光が、どこにいるかわからん状態だと思いますしなぁー。光、チョコアイスもう一個ある?」

 光のドキドキなんか、なんにもわからないファルゴンが言う。

「も、持ってくるよ! で、でもさ麻那人だって一日三回魔術が使える人間で、ザボに勝てるの!?」

 アイスを持って屋根裏部屋に行くと、麻那人が手のひらサイズのカレンダーを見ていた。

「うん、最高の巡りだね。これぞ運命」

「ん? どういうこと」

 麻那人が見ていたカレンダーには月の満ち欠けが載っている。

「僕は新月の日には、悪魔に戻れるんだ」

「えっ!」

「出逢った時みたいなね」

「三回以上使えるの?」

「うん」

 そしてカレンダーの新月の日は『ドキドキ!摩訶不思議な出逢い祭り』の日だ。
 三年生以上は、夕方まで学校にいる事ができる。
 
「ドキマカ祭を利用して、ザボをおびき出す。ただ光が倒した時よりは更に追いかけ鬼も強さを増しているだろう。同じ方法じゃ倒せない」

「そっか……弱らせないといけないんだね」

「そう、でもみんなでやればどうにかなりそうだ」

 それから光は、麻那人の考えを色々と聞いた。
 そしてお父さんに夕飯だよーと呼ばれたので、階段を降りようとした時。

「五月の新月で悪魔王子も、悪魔に戻って留学も終わり……万々歳ですなあ」

 というファルゴンの言葉が聞こえてきたのだった。


 
< 123 / 128 >

この作品をシェア

pagetop