あいつは悪魔王子!~悪魔王子を召喚しちゃった!?魔術クラブ結成!都市伝説『追いかけ鬼』をやっつけろ!~
麻那人は、店内を見渡して狭い店内を歩く。
たしかに駄菓子が置いてある。
でも、見慣れたような駄菓子だが……。
パッケージや名前は似てるけど、何かが違うお菓子ばかり。
「……へるへるへるね……? イヤンイヤンつけないぼー……なんか変」
キョロキョロしてしまう光。
「この飴玉いいね。これを……えっと六個ください」
麻那人は、大きなガラスの瓶に入った飴玉を指差す。
大きくて丸い飴玉が、キラキラしたフィルムでまかれている。
両端がキュッとなってリボンみたい。
可愛くて綺麗な飴玉だ。
「あはは~その飴玉いいでしょう~。コレ食べてたら、あんしん。あんし~ん」
「だよね」
「ひぃ~ふぅ~み~よぉ~いつ、むぅ~ね」
女の子はパカッとフタを開けて、六個取り出すと紙袋に入れてくれた。
「はぁ~いどうぞ。ありがとうね~」
「どーも~」
またキョロキョロしていると、瓶に入ったマシュマロがうごいた!?
古い天井のすみっこに何かいるような気がした。
おもわず、麻那人に近寄ってしまう。
「じゃあまた来まーす」
「はぁ~い。ありがとさん。またきてね~~」
一緒に店から出て、振り返るともう汚いレンガの壁しかなかった。
「どえーーーー!?」
実際に目に見てもおどろきで、あんぐり口を開けてしまう。
「ふふ、口に虫が入りそうだよ」
面白そうに、麻那人が笑う。
「あっやだ! もう~だれだってビックリするよ!」
「まぁ、そうだよね」
「あの子は悪魔?」
「いいや、あの子は、この壁を気に入っている神様のお使いみたいな感じかな。この壁すごいなぁ」
何がすごいのかわからないが、この汚い壁はすごいらしい。