あいつは悪魔王子!~悪魔王子を召喚しちゃった!?魔術クラブ結成!都市伝説『追いかけ鬼』をやっつけろ!~

ラーとの思い出

 
 光が話し始めようとすると、ファルゴンが出てきた。
 光はファルゴンにも、アイスを渡す。

「ラーとは保育園が一緒でね。そのころは『魔法少女リンピー』っていうアニメがすっごく流行ってたんだ」

「面白そうだね」

「うん。私はもともと魔術や魔法が大好きでしょ。それを使って闘うなんて好きになるに決まってるもん! だから家で一人で毎日リンピーのマネしてた」

「一人でかい?」

 意外そうに、麻那人が聞く。

「みんな大好きだから私も好き! って言えば良かったのにね! でも私はさぁ、外遊びやボール遊び、鬼ごっこばっか遊んでたから、恥ずかしかったんだ。だから、こっそり好きでいたんだけどね。ある日ラーが『あなたも好きなの?』って聞いてきたんだ」

 リンピーの絵本を読んでいたら、後ろから声をかけられた。

 すぐ思い出せる、あの時のラーの嬉しそうな顔。
 光も嬉しくて『うん!』って言った。

 ラーはその頃から可愛いと有名な女の子で、ちょっと女の子達から仲間外れにされる事もあったようだった。

 光は男子も女子も誰とでも遊ぶ子だったので、 ラーは光に声をかけたようだ。

 二人はすぐに、仲良しになった。

 『マージカル! リンピー! ファイヤーーーダンス!』

 『マージカル! フェンリー! サンダーアロー!!』

 『かっこいいね!』

 『かっこいいわ!』

 ラーは主人公の、『炎の魔法少女リンピー』が大好き。
 光はリンピーの親友で『雷の魔法少女フェンリー』が大好きだ。

 だから喧嘩もせずに、保育園の庭でいつも二人でごっこ遊びをした。

 小学校に入ってからも、仲良しだと思っていた……。
 
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