【完結】あいつは悪魔王子!~悪魔王子を召喚しちゃった!?魔術クラブ結成!都市伝説『追いかけ鬼』をやっつけろ!~
まるで人工知能のようにファルゴンがピキーン! となって読み上げ始めた。
『メール一件。 蘭子ちゃん。
麻那人君、今日は楽しかった! 飴ありがとう~美味しかったね』
ラーからだ! と光は思う。
「……こんな話、私聞いてもいいのかなぁ?」
「いいんじゃない?」
『あのねー体育着袋なんだけど、光の持って帰ってきていたのよ! 今日ね、体操着を新しいのに買い替えましょうか? ってお母さんに言われて、ためしに着てみたら光のだったのよ~最悪! 明日持ってきてって言ってくれる?』
「えっ……ほんと!?」
びっくりしたその時、お風呂場のお父さんが『光~これ蘭子ちゃんの体操着袋だよ~』と叫んだのが聞こえた。
「ラーとはお揃いの体操着袋なんだ。魔法少女っぽいけどオシャレって、二人だけで決めた柄。お父さんがぬってくれたんだ」
それは三年生の時の話なんだけど……。
ラーはそんな思い出も、わすれちゃったかな……。
『伝えてくれると助かりまーす。これからお兄ちゃんと愛犬のマシュマロの散歩に行ってきまーす 添付ファイルあり』
ファルゴンが画面を見せてくる。
可愛いトイプードルの写真だ。
「(そういえば……ラーは、夜はお兄ちゃんと犬の散歩に出かけるのが、日課なんだって言ってた)」
そんなことを思った光だったが、悪魔王子の麻那人は今まで見たことがないくらい緊張した顔をする。
「……まずいな……」
ビリリっと光の胸にも嫌な予感がよぎった。