あいつは悪魔王子!~悪魔王子を召喚しちゃった!?魔術クラブ結成!都市伝説『追いかけ鬼』をやっつけろ!~

 夜の街を、麻那人と走る。

「ハァ! ハァ! ど、どうにかできないの!? 魔法で!!」

「今迷ってる! 僕はもう今日は二回しか魔法は使えない! 居場所を探すか移動に使うか……」

 ファルゴンも短い羽をバタつかせて追いかけてくるが、もう疲れている。

「居場所探して、移動したら!? ハァハァ」

 連続して走り続けていたら、光だってしんどい。

「それはダメだ。もしも追いかけ鬼が現れた時の事を考えたら、一回は残しておかないいと」

「そんなぁあぁん!」

 出会った時は麻那人は悪魔王子の姿だった。
 だから素のままで、追いかけ鬼を蹴りあげられた。

 人間の姿であれば、追いかけ鬼に対抗するには魔法が必要なのか。

 ラーと追いかけ鬼を見つけても、反撃できなかったら全員危ない!
 
 麻那人のいう事はもっともだ。
 
 それに今、魔法で居場所がわかっても、ジョギングをしているラーは更に移動するだろう。

「ハァハァッ!(苦しい、横っぱらが痛いよ……足も痛いよ……でも!!)」

 だからと言って、止まるわけにはいかない。
 大事な友達の命がかかってる!

「光、大丈夫?」

「大丈夫……っ! ハァハァ……! 間に合って……!!」

 光と麻那人は、夜の街を走る走る走る……!!
 
 
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