あいつは悪魔王子!~悪魔王子を召喚しちゃった!?魔術クラブ結成!都市伝説『追いかけ鬼』をやっつけろ!~
夜のジョギング・暗い橋※ラー視点・怖い描写あり
お金持ちの豪邸が並ぶ住宅街。
広いリビングのソファで、ラーはスマホをいじっていた。
「ラー、行くぞ」
兄に言われて、立ち上がる。
ラーの格好あ、ジョギングウェアだ。
髪は二つに結んだ。
「はぁーい。うん、今日のジョギングウェア姿も決まってる~! 写真撮ってあとでSNSにあげようかな~」
「おい。また落として、スマホの画面を割ったら、母さんに怒られるぞ。スマホは置いておけ」
「え~麻那人君から、返事がくるかもしれないのに……」
「そんなの帰ってからにしろよ。小学生が生意気だぞ」
「ふん。まぁいいわ。行こ! マシュマロ」
はしゃぐトイプードルの、マシュマロ。
毎日の日課の愛犬とのジョギング散歩。
いつも通りの夜だ、とラーは思う。
昼間のことは、ラーも気になっていた。
自分がモデルも学校も習い事もやって、いそがしくて全然遊べなくなって……。
学校ではモデルってすごい! と言われても、モデルの世界ではまだまだ。
落ち込むこともたくさんある。
それでも光と一緒に、魔術クラブはやりたいって入った。
光はずっと光のまま。
変わらないのが、ラーにはなんだか羨ましかった。
追い抜いたり追い越したり、それでも手をつないで仲良しだったはずなのに……何かうまくいかなくなって。