あいつは悪魔王子!~悪魔王子を召喚しちゃった!?魔術クラブ結成!都市伝説『追いかけ鬼』をやっつけろ!~
「なに、ぶつくさ言ってんの? マロが走りたがってるから行くぞ」
「マシュマロだって! 略さないでよー!」
「いいじゃん。マロは行くでおじゃるよ~~」
「やめてお兄ちゃん!」
住宅街を抜けて、大きな道路を渡って、川岸に着いた。
心地よい風が吹く。
兄妹とマシュマロで、暗いサイクリングロードを走り出した。
いつもの夜道。
暗いけど、お兄ちゃんもマシュマロもいるから別に怖くない。
でもなんだか今日は、気持ちよく走れない。
麻那人君からの返信も気になるし……。
やっぱり一番は光が気になる。
やっぱり明日話そうって光にメールしよう。
「ラー、あそこの橋超えて、次のとこでUターンするか」
「ハァハァ……うん……」
川岸のサイクリングロードは、橋の下を通るのだ。
古くて大きな橋があって、そこは改修工事で橋の上は、今は通行止めになっている。
車の行き来もないので、すごく暗い。
夜の暗さがより更に暗く暗く……感じる。
「ハァ……ねぇ……あそこなんか怖いよ」
「大丈夫だって! お前、もうちょっとスピード出せないの?」
高校生の兄からしてみると、小学生の妹に合わせるのは物足りないようだ。
橋の手前でそんな事を言うので、ラーは慌ててスピードをあげる。