あいつは悪魔王子!~悪魔王子を召喚しちゃった!?魔術クラブ結成!都市伝説『追いかけ鬼』をやっつけろ!~

 兄からキーロックを外された画面を見る。
 明るくして、少しでも恐怖を感じないように……。

「もう電話しちゃおうかな……」

 そう思った、その時……。

 ぶわっと臭いニオイがした。
 冷たい空気に混じる、臭いニオイと……生ぬるい風。

 何かの気配……そう、気配。

「なに……?」

 マシュマロが戻ってきたわけではない。
 でも、何かそう……音も聞こえる……。

 ヒュー……ヒュー……ヒュー……。

 そう、息だ。
 誰かの呼吸音。
 そして生ぬるい腐ったような風……。

 これは、そいつ(・・・)の吸って、吐いての呼吸音……。

 そして視線を感じる……。

 なにかが(・・・・)見てる。

 まるで、舐め回すように、自分を見ている……。

「誰!?」
 
 ラーがバッと振り返ると、顔だけの鬼が目玉をギョロつかせ、黒い鼻の穴を向け、そして巨大な闇を生み出すような牙だらけの大口を開けていた。

『みぃ……づげだぁああああ……!!!』
 
 
 
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