あいつは悪魔王子!~悪魔王子を召喚しちゃった!?魔術クラブ結成!都市伝説『追いかけ鬼』をやっつけろ!~
場所を特定できないまま、移動しても意味がない。
場所を特定できても、それが何キロも先だったら間に合わないかもしれない。
「君なら、わからないかっ!? 光……!」
「ハァ……ハァ何が!?」
「この街の怪異が、特に起きそうな情報を、知らないか……!?」
苦しい! 苦しい!
脳みそに酸素が、足りない!
苦しい! 泣きそう! 疲れた!
でもでも、ラー!
ラー!
そんな状況なのに、変な質問をしてくる悪魔王子に光はイライラもあって叫ぶ!
「どういうこと!? 意味分かんないよ!」
「追いかけ鬼だって、繁華街には出ないと言っただろう? 人が多い光が多い場所には出ない! 暗いもの、よどみが、けがれが溜まる場所……そういう場所を知らないか!?」
「えっ……」
「魔術クラブリーダー! 思い出せ!」
「(何言ってるの!?)」
おじいちゃんのステッキを、バトンのように持って走っている。
暗いのに、キラッと光った。
「あ……!!」
光のひらめき! きらめく!!!
「ラーの家の方に、工事中の古い橋がある! あそこは前から……!」
「不気味だったんだね!?」
「……そう!」
「そこだ! 手を!」
苦しくて、途切れ途切れになった光の言葉を麻那人は理解した。
先を走る麻那人が振り返って、手を差し出す。
「えっ……?」
疲れ果てて転びそうになる光の手を麻那人は掴んで、支えた。
「……そこに飛ぶ……! 二回目の魔術発動だ!!」
ファルゴンが慌てて、光の頭にくっついた!
何か魔法陣のようなものが出現したかと思った瞬間、二人と一匹の姿はその場所から消えた。