あいつは悪魔王子!~悪魔王子を召喚しちゃった!?魔術クラブ結成!都市伝説『追いかけ鬼』をやっつけろ!~
ラー絶体絶命!光のヒカリ!
暗い川岸のサイクリングロード。
ラーに迫る追いかけ鬼!!
「ひ……ひぃ……!?」
お兄ちゃんのスマホを持ったまま後ずさりしたラーだったが、恐怖で尻餅をついてしまう。
『んがぁあ……おまえ……んんん』
子ども一人なら丸呑みしそうな、大きな口。
巨大な目が2つギョロギョロして、大きなツノが額から出てくる。
以前にラーがモデル仕事で取材に行った、秋田県の『なまはげ』のようだった。
その顔を不思議そうに、その鬼はくるくる360度まわす。
巨大な目と口がぐるぐる回って、恐ろしい絵面だった、
『おまえぇええ、あのガキィ、ちがうぅうううう』
「ひぃ……ち、ちが……ちが……」
涙を流しながらラーは『違う』と繰り返した。
誰かと間違えている!?
こんな化け物に、私が襲われるなんておかしい!
そう思いながらも、もうそれだけ言ったらラーは恐怖で声も出ない。
震えて震えて、スマホなんかどこかに行ってしまった。
これは『追いかけ鬼』なのか!?
あの魔術クラブで、一緒に話をしていたら撃退する方法がわかったかもしれない。
「ち……が……う……」
絞り出すような自分の声が聞こえた。
恐怖で声が全然出なくて、やっと出た声はため息のようだ。
私は違う。
どうかわかって……! どっか行って!! と祈る思いだった。
『まぁいいがぁ……いだだぐまがぁあああっっすす!!』
ラーにも光と同じように、追いかけ鬼が『いただきます』と言ったのがわかった。
何もない普通の夜だったのに、光に謝ることもできなかった……ママ! パパ!