あいつは悪魔王子!~悪魔王子を召喚しちゃった!?魔術クラブ結成!都市伝説『追いかけ鬼』をやっつけろ!~
魔術クラブ会議! ルルのモンタージュイラスト!
「そしたら、みんなに説明してあげてくれるかな?」
「わかったわ麻那人君。実は昨日の夜にね……」
麻那人がラーに、昨日の話をみんなにするように言った。
ラーは追いかけ鬼に食べられそうになった事を、リィとルルに話したのだ。
「追いかけ鬼が本当にいた……?」
リィがあんぐりと、口を開けた。
「ラーちゃんが昨日の夜に襲われたのって……追いかけ鬼に?」
「そうよ」
ラーのぱっちりした瞳は真剣だ。
ジョークを言っているとは、とても思えない。
「それで……光が助けてくれたって?」
リィは驚きながら光を見る。
「そうなの! すごくかっこよかった! 魔法少女フェンリーみたいだったわね!」
どうやらラーはあれが魔法王子・麻那人の力ではなく光自身の力だと思っているようだった。
ラーに抱きつかれて、光はどうしよう……と思ってしまうが、麻那人はにっこりウインクする。
「その追いかけ鬼は、誰かが創ったものだ。だから多分また追いかけ鬼は出てくると思う」
その麻那人の言葉に、少女四人は怯える。
光とラーは襲われた経験があるから、恐ろしさは何倍も。
リィとルルも、恐怖でつばをゴクリ……と飲んだ。
「なんで? 誰がそんなこと?」
「さぁ……わからない。愉快犯か、何か子どもを狙う理由があるのか……」
愉快犯というのは世間を騒がせて、それを楽しむ犯罪や犯罪者の事を言う。
光やラーはあれだけの怖い思いをしたのに、それを楽しむなんて許せない。
他に理由があったとしても、子どもを食おうとする鬼を創ることが許されるわけがない!