あいつは悪魔王子!~悪魔王子を召喚しちゃった!?魔術クラブ結成!都市伝説『追いかけ鬼』をやっつけろ!~
「一番に光を襲ってくると思う。光は妨害者、つまり敵として認識されてしまっただろう」
「うええええええええ!? そうなの!?」
光は絶叫して思う。
『聞いてないよ!!』と。
雷を落として、ラーを追いかけ鬼から救った事は嬉しいと思った……。
それでも今は犯人に敵! として攻撃対象になるなんて、あまりにひどい!!
「まぁそっちの方が、こっちからも犯人が追いやすいしね」
「がぁああ……ん」
光はがっくりうなだれる。
あんな怖い思いを、またしなければいけないのだろうか。
「犯人をみんなで探すんだ。子ども達の間で、あれだけ追いかけ鬼の歌が流行ってる。きっと追いかけ鬼に襲われたり見たことがある子どもは他にもいるはずだ」
「みんなに聞くんだね」
光はガバっと顔を上げた。
「そう、こんな鬼を見たことはないか? って聞いてみよう」
「じゃ……じゃあ、私、絵を描こうかな」
「ルル! ルルの絵があったら、みんなに聞けるね!」
「それはいい考えだ」
さっそく、ルルはスケッチブックと鉛筆を取り出す。
サスペンスドラマで犯人のモンタージュ画像を作るみたいに、光とラーが追いかけ鬼を思い出しながらルルに伝える。
「私は、怖くてあんまり覚えてないとこあるけど……」
ラーが言う。
「ん~目は二つで……口がめっちゃ大きいの!」
あーんと、大口を開ける光。