あいつは悪魔王子!~悪魔王子を召喚しちゃった!?魔術クラブ結成!都市伝説『追いかけ鬼』をやっつけろ!~

「おじいちゃんの部屋を二人で使うっていうけど、ベッドを二つ置く場所もないし……麻那人君がハンモックで寝るっていうから注文したんだよ」

 またお父さんが、変にニコニコ笑っている事に気が付いた。
 きっと、さいみん術だ!

「でも、あれを取り付けるには業者に頼まないと危ないかな……」

「大丈夫、僕一人で作れますから」

 ニッコリ麻那人が笑う。

「そうかい? じゃあ頼むよ」

「はぁい」

 小学生に、ハンモックの設置を頼むなんてアリエナイ!

 やっぱり絶対さいみん術だ! と光は思う。
 
 ちなみに、さいみん術は一日三回の魔法には入らないらしい。
 すごく簡単で、ココアを淹れるくらい簡単だって! 

 そんなに簡単にできるなんて、ゾッとしてしまうけど……。
 なんとなく麻那人はいいヤツかも、と光も思い始めている……。

「豚汁おかわりしていいですか!?」

「もちろん!」

「じゃあ私も!」
 
 二人でおかわりを三回して、お腹がいっぱいでお風呂に入るまでに時間がかかった。
 
「(今日もいろんなことがあったなぁ)」

 昨日から、色々……。
 いや、悪魔王子が家に来てから色々ありすぎだけど……。
 
 魔術クラブは再結成したし、ラーともまた、前のように仲良くできそうだ。

 いい感じ。

「ふんふん~♪」 

 お風呂からあがって、鼻歌を歌いながらリビングに行くと麻那人がいない。

「あれぇ? 麻那人?」

「光、こっち」

 青いパジャマ姿の麻那人が、光を呼んだ。

 

 
< 92 / 123 >

この作品をシェア

pagetop