あいつは悪魔王子!~悪魔王子を召喚しちゃった!?魔術クラブ結成!都市伝説『追いかけ鬼』をやっつけろ!~
「おじいちゃんの部屋を二人で使うっていうけど、ベッドを二つ置く場所もないし……麻那人君がハンモックで寝るっていうから注文したんだよ」
またお父さんが、変にニコニコ笑っている事に気が付いた。
きっと、さいみん術だ!
「でも、あれを取り付けるには業者に頼まないと危ないかな……」
「大丈夫、僕一人で作れますから」
ニッコリ麻那人が笑う。
「そうかい? じゃあ頼むよ」
「はぁい」
小学生に、ハンモックの設置を頼むなんてアリエナイ!
やっぱり絶対さいみん術だ! と光は思う。
ちなみに、さいみん術は一日三回の魔法には入らないらしい。
すごく簡単で、ココアを淹れるくらい簡単だって!
そんなに簡単にできるなんて、ゾッとしてしまうけど……。
なんとなく麻那人はいいヤツかも、と光も思い始めている……。
「豚汁おかわりしていいですか!?」
「もちろん!」
「じゃあ私も!」
二人でおかわりを三回して、お腹がいっぱいでお風呂に入るまでに時間がかかった。
「(今日もいろんなことがあったなぁ)」
昨日から、色々……。
いや、悪魔王子が家に来てから色々ありすぎだけど……。
魔術クラブは再結成したし、ラーともまた、前のように仲良くできそうだ。
いい感じ。
「ふんふん~♪」
お風呂からあがって、鼻歌を歌いながらリビングに行くと麻那人がいない。
「あれぇ? 麻那人?」
「光、こっち」
青いパジャマ姿の麻那人が、光を呼んだ。