あいつは悪魔王子!~悪魔王子を召喚しちゃった!?魔術クラブ結成!都市伝説『追いかけ鬼』をやっつけろ!~

おじいちゃんの屋根裏部屋

 
 麻那人に手招きされて行ったのは、おじいちゃんの屋根裏部屋。
 
 結局、なんだかんだで麻那人だけがこの部屋で寝ていた。
 
 二階の廊下の端っこに、鎖がぶら下がっている。
 それを引っ張ると、階段が天井から降りてくるのだ。

「鎖を、よいしょよいしょっと……」

 階段をあがると、おじいちゃんの屋根裏部屋。

 光が小さい頃に亡くなったおじいちゃん。
 光はおじいちゃんがこの部屋にこもっていると、会いたくなって我慢できなくなった。

 でも、この階段は一人で上がると危ないからと、笛を吹きなさいと言われていた。
 大切な金色の笛。
 笛を吹くと、おじいちゃんが階段を降ろして顔をだし、光を抱っこして屋根裏部屋に連れていってくれた。

 ……でもあの金色の笛は、おじいちゃんが亡くなった時に一緒に失くなってしまった。

 泣いて自分を責める光に、お母さんが抱き締めてくれてこう言った。

『光、あなたが失くしたわけじゃないの。そういう契約だったんだわ、だから一緒にバイバイしようね』 
 
 何を言っているのか、よくわからなかったけれど光の心は少し楽になった。

「……光?」

 麻那人の声でハッとなる。
 
「あ、ごめん!」

 なんだか懐かしい事を思い出してしまった。
 麻那人が先に階段をあがって、顔を出して手を差し伸べてくれたからかもしれない。

「うーん、やっぱり素敵」

 おじいちゃんの屋根裏部屋。
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