心をいれかえた追放令嬢は転生してウサギのような聖獣になってイケメン王子たちにモフモフされます
2
前世で追放令嬢だったメリアがウサギのような聖獣として転生してイベリスという美しい少年に拾われてから一週間。その間に、色々とわかったことがある。
アリアのことを拾ってくれた美しい少年イベリスはこの国の第三王子だった。若草色のローブを羽織るモルガは国内でも珍しい上級魔法使い、艶やかな黒髪にルビーの瞳を持つサイシアは若くして国で一二を争うほどの実力のある騎士で、二人ともイベリス王子に仕えているそうだ。
アリアは拾われてからというもの、イベリスの部屋で毎日自由気ままに過ごしていた。 聖獣だからなのだろうか、排泄をする必要がなく食欲も特にわかない。ただ、食欲がわかなくても甘くて美味しい果物は与えられると喜んで食べた。動物なので獣臭がするかと思えば匂いは全く無く、やはり聖獣だからなのだろうか、何もせずとも常に綺麗なのだ。
◇◆◇
「アリア、今日も元気だね、コホッコホッ」
アリアは咳き込むイベリスをアリアは心配そうに覗き込んだ。イベリスは小さい頃から体が弱くあまり無理できない。そのためこの部屋からもほとんど出たことがなく、部屋から出たとしても城のほんの周辺を歩く程度だ。
調子の良い時には咳が出ることはなく顔色も良い。だが調子が悪い時には咳がひどく、顔色は真っ青になる。
(私が聖獣だというのならなぜイベリスの体調は良くならないのかしら。モルガは私がイベリスに拾われてからイベリスの体調は悪化することがなくなったというけれど、悪化しないだけで良くなっているわけじゃない。なぜなのかしら)
アリアは首を傾げながら鼻をひくひくさせる。ふと、遠くから微かにイベリスという単語が聞こえて耳を傾けた。その声は何となく気になる気分の悪い声色だ。イベリスは朝食後の薬を飲んで眠くなったのだろう、すやすやと眠り始めている。
(ちょうどいいわ、イベリスが寝ている隙にっと)
アリアは部屋のドアの前に来て勢いよく飛び込んだ。するとアリアの体は扉を擦り抜けて廊下に出る。
(この体、本当に便利ね。扉も壁もなんでもすり抜けることができるんだもの)
アリアは先ほどの気になる声のする方へ走り出した。
アリアのことを拾ってくれた美しい少年イベリスはこの国の第三王子だった。若草色のローブを羽織るモルガは国内でも珍しい上級魔法使い、艶やかな黒髪にルビーの瞳を持つサイシアは若くして国で一二を争うほどの実力のある騎士で、二人ともイベリス王子に仕えているそうだ。
アリアは拾われてからというもの、イベリスの部屋で毎日自由気ままに過ごしていた。 聖獣だからなのだろうか、排泄をする必要がなく食欲も特にわかない。ただ、食欲がわかなくても甘くて美味しい果物は与えられると喜んで食べた。動物なので獣臭がするかと思えば匂いは全く無く、やはり聖獣だからなのだろうか、何もせずとも常に綺麗なのだ。
◇◆◇
「アリア、今日も元気だね、コホッコホッ」
アリアは咳き込むイベリスをアリアは心配そうに覗き込んだ。イベリスは小さい頃から体が弱くあまり無理できない。そのためこの部屋からもほとんど出たことがなく、部屋から出たとしても城のほんの周辺を歩く程度だ。
調子の良い時には咳が出ることはなく顔色も良い。だが調子が悪い時には咳がひどく、顔色は真っ青になる。
(私が聖獣だというのならなぜイベリスの体調は良くならないのかしら。モルガは私がイベリスに拾われてからイベリスの体調は悪化することがなくなったというけれど、悪化しないだけで良くなっているわけじゃない。なぜなのかしら)
アリアは首を傾げながら鼻をひくひくさせる。ふと、遠くから微かにイベリスという単語が聞こえて耳を傾けた。その声は何となく気になる気分の悪い声色だ。イベリスは朝食後の薬を飲んで眠くなったのだろう、すやすやと眠り始めている。
(ちょうどいいわ、イベリスが寝ている隙にっと)
アリアは部屋のドアの前に来て勢いよく飛び込んだ。するとアリアの体は扉を擦り抜けて廊下に出る。
(この体、本当に便利ね。扉も壁もなんでもすり抜けることができるんだもの)
アリアは先ほどの気になる声のする方へ走り出した。