御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
「もしもし。ああ…家」

普通に私の前で女と電話する奏翔。
やっぱり、そういう事なんですよね。

現実を突きつけられる。

「無理。ああ。うん。本気だよ。じゃあな」

本気…

しかも何今の。
本気だよって言った時の。
めちゃくちゃ甘い声で、優しい顔で。

好きな人…いるの?

奏翔は何もなかったようにテーブルに携帯をまた丸見えの状態で置く。

「私、そろそろ帰

「帰らなくていい」

遮られてしまう。

その時部屋のインターホンがなる。
奏翔は立ち上がり私の頭をポンとすると、バルコニーからリビングに入ってモニターを確認しに行った。

私はそのままバルコニーのソファに座る。

すると間も無く、聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「おう。土産買ってきたぞー」

「維織の分もあるよー!」

丈慈と翠だ!
私がここに来ているのはだいたいもうみんな把握済みのようだ。
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