御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
そして翌日朝から絃の電話で起こされる。

なんだよ。
絃かよ。
それもそうか、維織は電話する前に突撃してくるもんな。

今日はもう来てんのか?

電話に出ながらチラッと寝室の窓からリビングを覗く。

あ。
いた。兄妹揃って何してんだかよ。
クククク。
そこにはバルコニーでいつものように勝手に寛ぐ維織がいた。


そんな維織を見ながら話を聞くと絃の話しはこうだった。

どうにも、昨日あのBARから出てった後に那智ちゃんの住むマンションに寄ったらしく、その時不審者と遭遇したようで絃の家でかくまったそうだ。

ほんで、那智ちゃんの引っ越し先を探して欲しいという電話だった。

ほー。
やっぱコイツ惚れてんな。
今まで遊びの女相手にそんな優しくした事ないもんな。

「お前んちでよくね? 部屋余ってんだろたくさん」

『いやそれも思ったんだけど…』

「てか、泊めたんだ?」

コイツ、今の家に女入れた事ねぇよな確か。
クククク。

『なんだよ。悪いかよ。なんもしてねぇよ』

はははは!
しかも手出してねぇのか。

「ははは。何も言ってねぇじゃん。まずわかった。でもうちも今あんまないかもなぁ。お陰様で繁盛してるもんでよ」

『だよな』

「お前がいいなら、那智ちゃんに聞いてみれば? 一緒に住みませんかって。ははは」

『面白がんな』
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