御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
そして後日、また絃がslowにやってきた。

まぁ特に何も言ってこないからまだ進展はないんだろうな。
何すっかな。

一応、良さそうな物件は見つかったんだがな。

その時絃が慌てて電話に出た。
あーこの感じ、電話の相手は維織か?

内容もどうやら那智ちゃんの事みたいだな。
維織も気づいたか?
絃の気持ちに。

しかもだいぶ挑発してねぇか?

さすが兄妹、容赦ねぇ。
クククク。

そして絃は電話を切って俺を見た。

「認める。俺、惚れてんだな」

絃が言う。

「ああ。気づくの遅すぎ」

俺がそう言えばカランとグラスを傾けた。

「お前が女のために何かするとかなかったろ今まで」

絃は黙ったまま思い返しているようだ。

「美容院わざわざ連れてってやったり、ここに連れてきたり。家にあげたり。家探してやるとか」

俺はグラスを拭いていた手を止める。

「他の女抱けなくなったのだって。そうだろ」

俺がそうだから。

「はは。そうだな」

そして絃は一口酒を飲む。
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