御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
「俺思ったんだけど、あれただ単に照れてただけじゃね? あいつ」

俺は再びグラスを拭いていた手を止める。
それは思いつかなかった。

「あん時はわかんねぇけど、最近特に維織お前にベッタリだろ。それこそ昔みてぇによ」

いやそれは…
彼氏と別れて身軽になったからだろ。
暇つぶしだろどうせ。

「まぁ。でも、そんな変わったか?」

抱きついてくんのも昔はよくあったし、また最近増えただけだろ?

「お前はどうなんだよ」

絃が聞いてくる。

「スイッチ切ってる」

「んじゃ入れろ。バカ」

何故かカウンター越しから頭を叩かれた。

「別にこのままでいいだろ」

「はぁ? 本当に思ってんのか? お前、この先維織が他の男とどうにかなんの黙って見てんのか?」

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