御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
何も言わずにいれば絃はため息を吐いた。

「維織の相手できんのなんかお前以外にいねぇだろ。なんとかしろ。襲っちまえ」

おいおい。
この兄貴はシスコンなんだかなんだかわからんな。

「なぁ。お前、バカなの?」

「とにかく、早くそのスイッチ入れろ。意味わかんねぇ事してんな」

そして言うだけ言って帰って行った。

んな事言われてもよ。
俺を幼馴染以上になんとも思ってない維織にどうやって意識してもらう?

するとなんと今度は維織がやって来た。
タイミングよ。

「奏翔! 大変! 聞いて!」

「ああ。絃な?」

維織はコクコク頷いた。

「ここでお前と電話してたぞ」

「そうだったの? ちょっとヤバくない? 絃、那智に本気みたい! キャー!」

テンション上がってんなぁ。
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