御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
「私もさ、今日那智と美空とご飯してたの! 那智も絃の事好きなんだってー! もうさ、だって両思いよ? だからって私の口からは言えないじゃん? もう黙ってんの大変だったんだから!」

俺は維織に薄めのカクテルを出す。
お礼を言ったと思えばコイツは何を思ったか一気飲みしてしまった。

「おい」

「プハッ。喉カッラカラだった」

「興奮し過ぎな? 酔うぞすぐ」

案の定しばらくするとヘロヘロになる維織。
ほらみろ、言わんこっちゃねぇ。

「帰れんのか?」

「んー。やだー」

なにがだー。

とりあえず放置しとこ。
するとスタッフがやって来た。

「俺残りますから、マスターもう大丈夫ですよ」

それはありがたいな。

「悪いな。それじゃ頼んでいいか?」

「はい!」

俺は着替えて維織に声をかける。

「維織。帰るぞ」

そして腕を引っ張ると、そのままここがslowだというのに家にいる時のように抱きついてきた。

バッチリスタッフに見られる。
もう苦笑いしかない。

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