御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
恐ろしくなる。
いつもこんな人の家に勝手に我が物顔で乗り込み、好き放題甘えて。

熱を出した時には、身体まで拭かれ。
ご飯を食べさせてもらって。
ドライヤーまでしてくれる。

酔っ払って帰れば、メイクを落として着替えをさせられ。

仏さまか?
仏さまなのか?

よっぽど私には女としての魅力がないんだな。
そんな事を思いながらも、悟られないように美空と那智と明るくおしゃべりを続けた。

会場に着くと煌びやかな衣装を着る大勢の人で賑わっていた。

当たり前のように奏翔は私の腰に手を回してエスコートする。

な、なんか今日は特に私の扉はガバガバ気味かもしれない。

どうしよう。
ドキドキしてしまう。
美空とあんな話をしたからだ。

ショーが終わって、テンションが上がったまま絃と美空たちはそれぞれ帰って行った。

「奏翔んち行きたい」

私もお酒飲みたい。

「ん。酒か?」

奏翔が誘ってくれた。

コクコクと頷く。
実は飲みたくてウズウズしていた。


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