御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
奏翔は私を抱き上げると黙って寝室へと階段を登っていく。

「か、奏翔…ちょっといつもと雰囲気が…」

「スイッチ入ってるから。というかもう壊れたわ全部」

どういう事?

寝室に入るとそっと下ろされ向き合う。

「ドレス、似合ってる」

私をそうやって見下ろす奏翔の瞳はこれまで見てきた瞳じゃなかった。

スイッチって…
奏翔は今までただ男の顔を見せていなかっただけだったのかもしれないと今やっと気づいた。

「は、恥ずかしいから…」

私もそんな男の色気全開の奏翔を前にして、いよいよ心臓が破裂しそうになる。

「照れてるのも可愛いな」

奏翔に腰をグッと引き寄せられ完全に捕えられてしまう。

そっと背中をなぞるその手は、これまで私に触れてきた手つきとはまるで違う。

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