御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい

その後も特に彼氏と別れたからといって案の定何も変わらない。

そんなもんよね。

今日は仕事が終わってそのまま帰ってきた。

明日は休みだ。
んー。
掃除でもするか。

気分転換に断捨離でもしよう。

いろいろ仕分けをして行く。

これ…
私はそっと手にする。

私の手には昔お祭りで買ってもらったおもちゃの指輪がある。

あれは私が幼稚園年長の時。
みんなでお祭りに行った時の事だ。

♦︎♦︎♦︎


また迷子になっちゃった…。

私はよく迷子になる。

グッと泣きそうになるのを我慢する。

なんでいつも私ってこうなの？

しばらく端っこに寄ってしゃがんで塞ぎ込んでいると奏翔が私を呼ぶ声がした。

「奏翔ー！」

奏翔は私に気づいて走ってきた。

「維織！　いた！　勝手にどこか行くなっての！」

「うっ…」

私は奏翔を見て安心してついに泣き出してしまう。