御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい


すると維織もちょうど店に入ってきた。

「おう」

絃が声をかける。

「絃来てたの? ねぇ、てかシャキッとしてよ! 仕事中もニヤニヤってさー」

維織は絃の秘書をしてる。

「仕方ねぇだろ」

「まったく! 奏翔聞いた?」

維織はバンとカウンターに手を付き身を乗り出す。

「聞いた」

「まぁ、そういう事なんで。俺帰るわ」

「何しに来たのお前」

「あ? んな決まってんだろ。ノロケにだよ」

「早く帰れ」

コイツは馬鹿だ。

「はいはい。んじゃな。いろいろさんきゅ」

「何あれ」

維織が絃が座っていたチェアに座る。

「楽しそうでなにより」

すると維織が笑う。

「あんな絃、初めて見た」

そう言う維織の顔はなんだかんだで嬉しそうだった。

「ははは。そうだな」
< 144 / 283 >

この作品をシェア

pagetop