御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
すると維織もちょうど店に入ってきた。
「おう」
絃が声をかける。
「絃来てたの? ねぇ、てかシャキッとしてよ! 仕事中もニヤニヤってさー」
維織は絃の秘書をしてる。
「仕方ねぇだろ」
「まったく! 奏翔聞いた?」
維織はバンとカウンターに手を付き身を乗り出す。
「聞いた」
「まぁ、そういう事なんで。俺帰るわ」
「何しに来たのお前」
「あ? んな決まってんだろ。ノロケにだよ」
「早く帰れ」
コイツは馬鹿だ。
「はいはい。んじゃな。いろいろさんきゅ」
「何あれ」
維織が絃が座っていたチェアに座る。
「楽しそうでなにより」
すると維織が笑う。
「あんな絃、初めて見た」
そう言う維織の顔はなんだかんだで嬉しそうだった。
「ははは。そうだな」