御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
俺はもう完全に惚れてる。
このままでいいなんて嘘ばっかりだ。
いいわけない。
もし維織が他の男と…なんて想像しただけで嫉妬で頭に血が上りそうだ。
ただでさえ維織の事になると俺は…
そして気づく。
そういう事だったのか。
結局俺は維織が好きだったのか。
胸にしまっていたつもりだったのに。
彼女がいても維織を当たり前に優先していたし、維織は知らないが何度もそれが理由で怒られたり、ヤキモチを妬かれたり、そのまま振られたりしていた。
クククク。
続くわけないよな。
俺は維織が好きだったんだから。
何よりも維織が大事だった。
今だって。
そんな事を考えていれば隣りに座る絃に肘で小突かれる。
なんだ?
「お前維織のこと頼むぞ? 俺今日は那智見てんのに精一杯なんだからよ」
絃にヒソッと言われる。