御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
那智ちゃんにゾッコンでも妹は妹で心配らしい。

「わかってるわ」

俺は笑いながらもしっかりと頷いた。

そしてあっという間に会場に到着したのだった。

リムジンからまず俺たちが先に下りてそれぞれにエスコートする。
美空が下り、那智ちゃんが下りた。

そして最後に出てきた維織に手を出せばニコッと笑って俺の手をキュッと握り車から下りた。

案の定周りからはザワザワと騒ぐ声が嫌でも聞こえてくる。

維織の細く女性らしいカーブを描いた腰に手を添えて並んで歩けば、恥ずかしがる事もなくぴたっと寄り添うように歩く維織。

このまま攫ってしまいたい衝動をなんとか抑える。
スイッチを入れるなと言い聞かせて。

「イチャイチャやめてくださーい」

俺たちの前を歩く絃が那智ちゃんのこめかみに歩きながらキスを落とすのを見た維織は野次を飛ばす。

ははは。
俺も付き合っていたら同じ事をしてただろうな。
兄妹でやいやい言い合ってるのを見て笑ってしまう。
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