御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
「泣くな。ほら」
そう言ってわりとグイグイ甚兵衛の袖で拭かれる。
「い、痛いよ!」
「ははは。ごめんごめん。ほら、皆んな待ってるから行こう」
奏翔は何故かいつも私を見つけてくれる。
遊園地でも。
デパートでも。
私はコクっと頷く。
「今度は何に夢中になってた?」
奏翔に聞かれる。
私はすぐ側にあるお店を指差した。
奏翔は私の手をとってそこに向かう。
「これ?」
奏翔は私が可愛いと思っていた指輪を指差す。
「うん。かわいいと思って見てたの」
「おじさん、これください!」
奏翔がお財布からお金を出しておじさんに渡す。
「おお。好きなの選んでいいよ」
「維織、どれにする?」
奏翔と一緒にしゃがんで指輪を選ぶ。
え、どうしよう。
嬉しい!
んー。
「これにする!」
私はそれを選ぶと、奏翔はその指輪をとってはめてくれた。