御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
すると維織が俺の家に行きたいと言い出した。
維織も俺と同じで飲んでなかったしな。

「ん。酒か?」

そう聞けば目を輝かせてコクコクと頷く維織。
ははは。
可愛いな。

家につき俺はキッチンへ向かい、維織はバルコニーに出た。
維織がいつも飲んでるカクテルと自分の酒を用意して、つまみも適当に準備する。

そしてバルコニーで後ろを向いて夜景を見ている姿につい見惚れてしまう。

もう無理だ。
こんな可愛い維織をこれ以上野放しにしておけない。

俺はバルコニーに出ると堪らず後ろから抱きしめた。
維織のシャンプーのいい香りが鼻をくすぐる。

甘い香りに誘われて維織の首元に顔をうずめ俺はついに口にした。

「なぁ」

「ん?」

「覚えてるか?」

「何を?」

「昔…結婚するって言った事」

維織がピクっと反応する。

「俺指輪…やったろ」

息を飲んだのがわかった。

「維織。それ、まだ有効?」

維織は何も話さない。

「お前、まだもってるじゃん」

維織の鼓動が早まってるのを感じる。

「なんで俺に甘えんの?」

「え…」

「お前、可愛すぎる」

そう言えば維織はハッと息を飲み口を両手で押さえた。
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