御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
維織の瞳が揺れ動き、俺の言葉を待ってるかのように見えた。
俺は維織の頬に手を添える。
「好きだよ。維織」
俺は昔行ったあの祭りの時以来言ってなかった言葉を告げた。
「私もだよ。奏翔」
維織…
良かった…
そしてお互いどちらからともなくキスをする。
こんなにも、こんなにもキスをするだけで誰かを愛おしく想うことがあっただろうか。
こんなにも自分のものにしたいと。
そして俺のスイッチは完全に入ったまま壊れた。
タガが外れたかのように、貪りつくように。
こんなにも俺は維織を求めていたと抱きながらやっと理解する。
もう離してやれない。
もう、元になんて戻れない。
俺たちはついに長年築き上げた高い壁を超えた。
隣で眠る維織の顔を見て愛おしくてたまらなくなる。
誰にもこんな無防備な姿を見せたくない。