御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
「だって奏翔…驚いたでしょ? ピアスしまってくれた時。見つけたんでしょ?」

「ああ」

「いまだに持ってるなんて、引かれるかなって思ってたから」

「まぁ驚いたな」

「なのに、何も言ってこなかったからてっきりその存在すら忘れてるのかと思ってた」

「覚えてたよ、ちゃんと。すぐに気づいた」

そうだったんだ…

「むしろお前の方こそ、捨てんの忘れてんのかとも思ったわ」

「そんなわけない。私には宝物だもの」

奏翔はフッと笑う。

「お前、俺を喜ばせる才能あるよな本当」

「え?」

そう言って奏翔はガバっと覆い被さってきた。

「ま、まさか…」

「そのまさかだな」

フッと口角を片方だけ上げて妖艶に微笑むその顔は、獲物を見つけた吸血鬼みたいに見えた。

そして奏翔は私の首目掛けて噛み付くようなキスをしてきた。

「んっ…はぁっ…」

「いい声」
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