御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
「帰んの?」

身体はデカいのに仔犬みたいな目で見てくる。

「帰るよ」

「……わかった」

そう言って渋々車のキーを持つ奏翔。

「ねぇ! そんな顔しないでよ!」

「俺ヤバいわ」

そう言って急にしゃがみ込み顔を隠す。

「なんかもう…維織が可愛くて離したくない」

そう言ってまた仔犬みたいな顔で私を見上げた。
ングァッ!
か、可愛すぎる。

「か、帰るの止めようかな?」

私も私だ。
あっさりポキンと理性がおだれた。

「本当か!? 言ったな!?」

そう言ってポーイとキーをどこかにぶん投げ私に飛びついてきた。

犬が尻尾を振るみたいに。

奏翔は犬さんだった。

そこから再びソファに座ってお酒を飲みながら壁に掛けてある馬鹿でかいテレビで映画を見ることにした。

部屋の電気を消して暗くすると奏翔はソファの背もたれに寄りかかり長い脚を組む。
私はその隣りで奏翔の肩に寄りかかると私の肩に腕が回った。

ふふふ。
これはいつも通り。





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