御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
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昔は両想いだったんだけどなー。

なんだかんだあれから私ずっと大事にしてて。

あの時は私も年長だったし奏翔も二年生だったし、結婚だなんて言っててもちっともわかってなかった。

それでも私は買ってもらった指輪が嬉しくて宝物みたいに飴が入っていた缶のケースに入れて大事にしてた。

だんだんと大きくなるにつれて、お互い世界が広がってあんなにぴったりくっついて離れなかったのに、私達は少しずつ距離ができていった。

たぶんそれは私達にしかわからない距離。
今でも変わらず皆んなと集まるし、一緒の輪の中にいて普通にしてるし。

でもお互いあのお祭りで話した話をする事はなかった。

こないだのあれもなんなの?

誰もいなかったらもらってやるだなんてさ。
絶対思ってないやつじゃん。

奏翔は中学生くらいからか、なんか妙に距離を取り出した。

私もわりとその辺までちゃんと好きだったんだけどな。

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