御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
そしてリビングに入れば父親の塁くんがソファに座っていた。

「塁くん」

「おー奏翔。どうした?」

ニヤニヤしている。
あーこれもしかして…

「あー。維織の事なんだけど」

「あ、結婚決まった?」

ヒカリちゃんが塁くんの隣りに座りながらケロッとしている。

「いや、まだだけど。そのうち」

「おー。やっとか。お前らずいぶん時間かかったな」

「バレてた?」

「「バレバレ」」

だよなー。

「それでなんだけど、維織まだ恥ずかしいんだってよ」

塁くんとヒカリちゃんは顔を見合わせる。

「やだ維織ったら!」

ヒカリちゃんが豪快に笑いながら塁くんをバシバシ叩く。

「なに、それじゃ皆んなには黙ってろって言われたのか?」

「ああ」

「バカだな維織」

塁くんがクスッと笑う。

「そういう事な。わかった。黙っておく」

「ああ。俺、維織もらっていい? いや。」

俺は一度姿勢を正し頭を下げた。

「維織さんを僕にください。幸せにすると約束します」

「奏翔。頭あげろ」

塁くんが優しく言う。
顔をあげれば2人は腕を組んでニコニコしていた。
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