御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
「奏翔、維織を頼む。タイミングは2人で決めろ。俺たちはそれまで黙っておくから。涼太くんには?」
「ありがとう。親父に言うとベラベラ言いそうなんだよな」
「絶対言うだろうな。言わなくても顔に出るだろうな」
「とりあえず黙っといてくれる?」
「わかった。俺たちには話してくれてありがとな」
塁くんが微笑みながら温かい言葉をくれる。
「いや、それは俺の中で絶対だったから」
「そうか。それじゃ心の準備だけはしておく」
「ああ」
「奏翔ー! あんた良い男なったわ本当に!」
ヒカリちゃんがバンと俺の肩を叩く。
「いって」
「維織があんまりもたもたしてるようなら少しくらい強引でいいんじゃない? あはははは!」
いや、俺もそれは思ったけどな。
でも大事にしたい。
「まぁそこは二人で決めるだろ。な」
塁くんがそう言ってくれる。
「ああ。それじゃ」
「えー!? 帰んの!? もっとゆっくりしてけば?」
ヒカリちゃんが言う。
「いや大丈夫」
「だよねー断るよねー」
わかってんだから聞くなっての。
俺は笑ってしまう。
維織そっくりだこのテンポ。