御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
開園時間前に到着して列に並ぶ。

天気はいいが風がわりと吹いていて維織は髪を後ろで結ぶ事にしたらしい。

それも可愛い。
綺麗。

「ハロウィンの装飾ほんと可愛いよね!」

俺の腕にしがみついてワクワクしながら見上げてくる。

「そだな。迷子なんなよ」

ここは幼い頃から何度も来てるがそれこそ毎度のように維織は迷子になって、その度に俺が見つけ出してた。

「もう大丈夫。奏翔と2人だし」

まぁそれもそうか。

「2人は何気に初めてだな」

「うんっ、嬉しい!」

可愛すぎて俺は維織のこめかみにキスを落とした。

「ちょっ、ダメだよ」

声をひそめてギロっと睨んで口を尖らせる維織。
ふくれた顔すら可愛い。

周りからもザワッと一瞬騒がれる。

やっぱり目立つ。
俺も維織も頭一つ出てるしな。

俺は見下ろしまた懲りずに顔を近づければグイっと避けられた。

「くくく。逃げられた」

「遊ばないで!」

そんな事をしていれば列が動き出し中へ入った。





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