御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
今日も彼と身体を重ねて解散をした後、そのまま帰るのもなんだしと思い、幼馴染がマスターをしているホテルのBAR"slow"に向かった。

「いらっしゃ…おう」

奏翔は私を見るなり短く声をかけた。
この奏翔こと、冨樫奏翔(とがしかなと)が私の二歳上の幼馴染。

「疲れたー」

私はいつものカウンターに腰掛け突っ伏した。

「ククククっ、んじゃ帰って寝ろ」

「やだ」

奏翔は笑って、薄めのアルコールの入ったカクテルを出す。

私はあまりお酒が強くない。
でも飲むのは好きなので、奏翔はいつも薄めにして出してくれるのだ。

「ねぇ。もう28歳なんだけど私」

「ああ。知ってる」

「人生早すぎない!? ねぇ!」

私は奏翔に詰め寄る。

「誕生日きたら29だろ。早生まれで良かったな」

なんて言いながらさっぱり私の事なんて気にする事もなくグラスを磨いてる手を止めようともしない。

「言わないで!」

私が怒ったところで全く効き目はない。
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