御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
喉がカラカラだ。

「奏翔っ」

呼んでみるも返事がない。

私はシーツを手繰り寄せ身体に巻きつけると寝室の窓からリビングを覗く。

あ、いた。

奏翔はバルコニーで外を見ながらタバコを吸っていた。

昨日の奏翔は怒っていた。
決して口にはしなかったけど。

怒らせちゃったのか。
あんな格好したから?

でもそれだけで怒るかな?
今思えば怒ってるっていうか、どこかなんだか辛そうにも見えたかも。

奏翔の背中を遠くから見つめながらそんな事を思っていればタバコを吸い終わった奏翔が振り向き、私は何故か隠れるようにまたベッドにうずくまった。

階段をのぼる音がして咄嗟に寝たふりをする。
何でこんな事をしてるのかは自分でも謎だけど。

そして静かに寝室のドアが開くと奏翔が入ってきた。

トスっとベッドのはじに座る。
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