御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい

深いため息をつく奏翔。

どうしちゃったの…？

「ごめんな」

私の頭を一つ撫でて謝る奏翔。
そしてオデコにキスをしたかと思えば部屋を静かに出て行ってしまった。

なんだ？
何があった？

落ち込んでる？

目を閉じたまま考えてみるもだんだんと脳が動かなくなってまた眠ってしまった。

再び目が覚めた時には夕方でちょうど夕陽が落ちていくそんな時間だった。

変わらず奏翔は隣にいない。

ベッドサイドにはいつの間に用意してくれたのかおにぎりと水が置いてあって、私は迷わず水を手に取り一気に流し込んだ。

ツツッと口の横から溢れた水を手の甲で拭う。
さすがに寝過ぎたな。

シャワー浴びたい。

部屋を見渡せばガウンも置いてあった。

私はそれに袖を通してまたリビングを覗く。
今度は奏翔の姿が見当たらない。

おにぎりを持って寝室を出て階段を降りる。

僅かに音がする。
どうやらトレーニングをしてるようだ。

私は一旦おにぎりをテーブルに置いて、ジムの部屋をそっと覗く。