御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
いつものように上半身裸でショートパンツを履いて、こちらに背中を向けてサンドバッグに向かってパンチをしたりキックをしたりしていた。

やっぱり凄いな。
プロみたい。
つい綺麗なフォームと鍛え上げられた肉体美に釘付けになってしまう。

背中は汗をかいていて余計に艶めかしく見える。
長めのパーマヘアを振りかざしだいぶ集中しているようだ。

そして最後に回し蹴りをしたかと思えば、私に気づいたらしくドアに駆け寄る奏翔。

バンとドアを開けて中から洋楽が聞こえてくる。

「維織っ! 大丈夫か!?」

「え?」

「いや、身体…無事か?」

「身体? どこもなんともないよ?」

はぁ。と言ってその場にしゃがみ込む。

「良かった…」

「な、なんで? どうしたの?」

「俺昨日…ごめんな。まともじゃなかった。乱暴だったろ…。お前全然起きないし」

あー。
そういう事?

私も向かい合うようにしゃがむ。

「奏翔。大丈夫だよ。心配しないで?」

「維織…」

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