御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
「トレーニングはもう終わり?」

「あ、うん」

「それじゃお風呂一緒に入ろう?」

私は顔だけ見上げる奏翔の手を取り立ち上がる。

奏翔はムクッと立ち上がる。
相変わらず背が高い。
でもやっぱり元気がない。

犬さんが怒られてシュンとしてるみたいだ。
尻尾が下がっちゃってる。

「奏翔、私も昨日ごめんね?」

「いや、お前は何も悪い事してないだろ。俺が勝手に暴走しただけだ」

どこまでも優しいな。

「奏翔は優しいね」

「維織にだけだよ」

「ありがとう。大好き」

私はそう言ってぎゅーっと抱きついた。

「ちょっ、俺今汗すごいから」

奏翔が離れようとする。

「いいから」

すると控えめに背中に奏翔の腕が回る。
< 203 / 283 >

この作品をシェア

pagetop