御曹司は幼馴染を溺愛して蕩けさせたい
嫉妬
〜奏翔side〜

「副社長。コーヒーをお持ちしました」

「ああ、そこに置いておいてくれ」

俺はパソコンに向かいながら声だけ返す。

「では失礼します」

「ありがとう」

キーボードをタンと弾いた。
首を左右にポキポキと鳴らす。

俺の秘書の結城 叶人(ゆうきかなと)が置いて行ったコーヒーを一口飲む。

にっが。

あいつの淹れるコーヒーはいつも鬼のように苦い。
俺に恨みでもあんのか?

面白すぎる。

結城は俺が大学の時に入っていたキックボクシングのサークルの一つ下の後輩で、数年前に他社で燻ってる所を引き抜き今は秘書として俺についてもらってる。

見た目は全く格闘技なんてしそうにない真面目な眼鏡くん。
身長も割と小柄で170くらいか?

だがひとたびリングの上に上がってゴングがなれば見事な試合を見せてくれるなかなか面白い奴。

漢字は違うが名前が一緒なので俺は苗字で呼んでる。


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